過去の「き」と「けり」を、活用の異形と用法の二方向から識別する。きの終止・連体・已然の三形、けりの伝聞過去と詠嘆の分かれ目を、蔵書の公版文で実演する
Step 1 / 21 · 概念 · 必修小テスト 0/6
頻出度 ◎。古文の過去は「き」と「けり」の二種類あり、字形も意味もちがうのに、活用の形が一部かみ合っているため混同が起きます。テストは両方を同じ文に置いて区別を問うてきます。
| 助動詞 | もともとの意 | 本文での顔 |
|---|---|---|
| き | 話し手が直接経験した過去(〜た) | 語り侍りしかば/過ぎにし方 |
| けり | 聞きかじった過去(〜たそうだ)から、詠嘆(〜なあ)へ | ありけり/ものぐるほしけれ |
「けり」の二用法が厄介です。物語の冒頭に立つ「昔、男ありけり」は伝聞過去で「そう聞いていた」の意ですが、和歌の文末に立つ「けれ」は感動です。同じ語が立つ位置で用法を変えるのが最大のポイントです。
「き」は連体形が「し」、已然形が「しか」です。この二つは他のどの助動詞とも衝突しない、き専用の印になります。「過ぎにし方」の「し」が連体形だと分かれば、動詞の活用や断定の助動詞「なり」の連体形「なる」とは取り違えません。そして已然形の「しか」は必ず「ば」と組むので、「しか」を見たら過去「き」だと即断できます。