理想郷の発見と、汚れを嫌った賢人の問い。二つの「水辺の物語」で、境遇と節操の思想を読む。
Step 1 / 9 · 解説 · 必修小テスト 0/5
桃花源記は、渓流に沿って漁をしていた武陵の人がふと桃花の林に出会い、その奥に戦乱を知らない理想の村を発見する物語。陶淵明の理想主義を体現する名文です。
漁父辞は、放逐されて江のほとりをさまよう屈原を、漁師が「どうしてここまで」と問う場面から始まります。清濁にわたって生きるか、潔く汚れを貫くか——節操の思想の代表対話です。
共通点は、漁師という水辺の人物が物語の入口になっていること。日常の隣に「別の世界」が開く構図が、両方の作品を駆動します。