未然形接続の打消を、連用・終止・連体・已然の四場面で識別する。実文で「なりぬ(完了)/ならぬ(打消)」の一字差を決め、「え〜ず」の呼応と「ずば・ねば」の分かれ目まで扱う
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頻出度 ◎。打消の助動詞「ず」は、それ単独で合否を決める問題は少ないのに、他の単元の判定を全部ぶっ壊す位置にあります。訳の正誤が反転し、助動詞の重ね方が崩れ、文の内容真偽問題まで連鎖します。
「ず」の連体形は「ざる」と並びにもう一つ「ぬ」です。一方、完了の助動詞にも「ぬ」があります。字形がまったく同じで、接続がちがうだけ。
| 形 | 直前 | 意 |
|---|---|---|
| ならぬ | 未然形(なら) | 打消の連体形「ない」 |
| なりぬ | 連用形(なり) | 完了の終止形「しまった」 |
本文でこの二つが同じ文中に立つ例が実際にあります。枕草子に「白き灰がちになりぬるはわろし」と「得ずなりぬるこそいとあはれなれ」が並びますが、後者では打消の「得ず」と完了の「なりぬる」が同一文内に同居しています。だから推測ではなく接続で判定するしかありません。
助動詞は係り先が固定です。打消「ず」は未然形にだけ付き、完了「ぬ」は連用形にだけ付く。動詞の活用の知識(h1 の二課)が前提になっていて、それが身についていれば「ず/ぬ」の判定は機械的に終わります。逆に言えば、ここで迷う人は助動詞ではなく動詞側が弱いのです。
「古典探究」助動詞の識別:打消「ず」と完了「ぬ」の区別