未然形接続の三助動詞を、主語の人称と後続の語で識別する。むの五用法、べしの可能・当然・命令、打消の「まじ」を枕草子と徒然草の実文で決め、訳の分け方まで固める
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頻出度 ◎。共通テストの助動詞問題で最も点数を奪うのは、この一群です。活用表を暗記していても間違えます。形が合っても用法が違うから。
| 助動詞 | 意味の核 | 訳し方の方向 |
|---|---|---|
| む | まだ起きていないことへの予測・働きかけ | 〜だろう・〜しよう・〜たもう |
| べし | それが筋だ・そうなる・できる | 〜すべきだ・〜だろう・〜できる |
| まじ | むの打消。しかし打消の方向が二つある | 〜まい・〜てはならない |
「む」が五用法見えるのは、日本語の文末が予測・意志・勧誘・仮定・婉曲という五つの話を同じ形で済ませてきたからです。区別の手掛かりは文の外側にあります。
| 文の主人公 | 「む」の読み |
|---|---|
| 私(一人称) | 意志・約束(〜しよう) |
| あなた(二人称) | 勧誘(〜なさいよ) |
| あの人・それがし(三人称) | 推量(〜だろう) |
だからこの課の作業は「むの意味を五つ覚える」ことではなく、その文の主語は誰かを確認することにほかなりません。枕草子に「いかばかりなる人、九重をかく立ちならすらむなど思ひやらるゝ」とありますが、これは三人称への推量です。そして「この詞はとゞむべし」はルールについて述べているので当然です。
打消の助動詞「まじ」には、打消の「ず」とは違う癖があります。活用が形容詞的(まじ・まじ・まじ・まじき・まじけ・—)で、未然形に付きますが、打ち消す相手が予測であったり当為であったりします。この二つを分けないと訳が一方向に偏ります。